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セッションスピーカーの一般公募開始!昨年の Claris Engage 若手開発者セッションをレポート(前半)

次世代を担う Next Generation Developer の皆さん

先日、Claris Engage Japan 2021 の Next Generation Developer セッションおよびユーザ事例セッションスピーカーの一般公募が始まりました

初めてのオンライン開催となった昨年 11 月の Claris Engage Japan 2020 では『 DX (デジタルトランスフォーメーション)』の実現に役立つ数多くのセッションが開催され、ユーザ事例、Claris FileMaker や Claris Connect の最新情報などが紹介されました。

Claris Engage Japan 2020 の目玉の一つが、平成生まれの開発者 “Next Generation Developer” によるセッションでした。もともと、Claris が若手エンジニアを応援したい!というアイデアから生まれた Next Generation Developer セッションでしたが、蓋を開けてみると長年 FileMaker に携わる開発者の方も「おもしろかった!」と感心するセッションがずらり。

多様な業界で活躍する 5 人の若手エンジニアのみなさんが、 FileMaker を普段どのように活用しているのか、どのようなことを見据え、開発しているのか、セッションのレポートを 2 回に分けてお届けします。

また、Claris Engage Japan に登壇してここが良かった!というポイントを昨年のスピーカーのみなさんからお寄せいただきました。スピーカーへの応募をご検討いただいている方はぜひ参考になさってください。

実体験から生まれた、宿泊施設のための業務効率化。

Next Generation Developer 1 人目は、岩手の人気旅館「山人 -yamado」の支配人として多忙な毎日を送りながら、旅館におけるさまざまな業務を管理するシステムを FileMaker で内製構築された 佐々木 耀さんです。

宿泊施設の業務は宿泊客の予約や、スタッフのシフト管理、現場の業務管理など、複雑な要素が互いに影響しています。山人では、旅館での業務全体を効率化するために FileMaker を導入、そのシステムは佐々木さん 1 人で開発されました。特に活用している API 連携のおかげで、既存のサービスやシステムとのスムーズなジョイントが可能になり、開発が進んだと語ります。

API 連携に関してのエピソードや、 FileMaker 初学者が、壁にぶつかったときに見るべきサービスやコミュニティなど、これから学ばれる方、そして、宿泊業を営む方が特に活用できるような内容になっています。実際にデモ画面を使いながらのレクチャーや、自分自身の活きた経験を交えながら、お話される佐々木さんから、自分と同じ境遇の方や、悩んでいる方の力になりたいという思いが感じられました。特に、複雑な業務が絡みあう宿泊業に関係する方にとっては、すぐにでも参考になるセッションではないでしょうか。

山人 -yamado - システム構成図

セッション独学、資格なしでもここまでできる! APIとコミュニティの集合知を活用して、基幹システムの刷新からAI連携まで実現させる道筋」を視聴する

インタビュー記事 「岩手の人気旅館がDXを実現。業務効率化とサービス向上を支えるシステムは支配人自らがアジャイル開発。」を読む

佐々木さんの “Claris Engage Japan に登壇してよかったこと”

自分の取り組みを客観的に評価してもらうよい機会になり、職業人生においても、自身のスキル・キャリアに一区切りつけられる機会になったと感じています。また、Claris 公式ブログでも取り上げていただけたことで、「DX 旅館」のキーワードでは Google 検索上位に。コロナ禍において致命的な打撃を受けている観光・宿泊産業のDX事例として取り上げていただく機会が増えました。

オンライン開催は事前収録の動画を流します。つまり、失敗したらもう一度撮り直しをして、納得いくまで編集して仕上がりをきれいにすることができます。人前に出るのがあまり得意ではないけど、でも自分の取り組みを発表してみたい気持ちはある! という恥ずかしがり屋さんこそ、オンライン開催のうちに、一度スピーカーとして登壇されてみることをおすすめしたいです。


見据える先は、介護業界だけでなくこの国の健康。

2 人目は、アレグロペンギンの瀬木 綾子さん。 Claris FileMaker を使い始めて約 3 年で実家が経営している介護施設のデイサービス業務支援システムを開発しました。

もともと、デイサービスの利用者のスケジュールや体調などは、主に紙のノートで共有・管理されていました。電子データもあったもののデータが一元化されておらず、検索にも手間がかかっていたほか、スケジュールの変更や、介護報酬などの複雑な計算など、スタッフの方に大きな負担がかかる作業があったそう。既存のパッケージシステムは、実際の業務にフィットするものではなかったため、瀬木さんが FileMaker を使って試行錯誤で開発したのが「Kotobuki 」でした。

このシステムを導入したことにより、利用者の健康状態の把握・管理や、スタッフ間の情報共有もスムーズに。また複雑な計算を自動化できた部分もあるそうです。 UI を工夫することによって、わかりやすさや使いやすさを重視してシステム開発したため、高齢のスタッフや、システム操作に慣れていないスタッフにも使いやすいものになりました。

今後は、「Kotobuki 」の改良を進めつつ、集めたデータを活用して、病気の早期発見や予防に役立てることを考えているとのこと。瀬木さんは、目の前の業務改善だけでなく、業界全体の発展や、データの有効活用まで見据えて前に進んでいるようです。

アレグロペンギン瀬木 綾子さんの思い描く介護のこれから

セッション「デイサービスでシステムを内製し、みんなハッピーに」を視聴する

インタビュー記事「DX 実現へ。介護現場の取り組み」を読む

瀬木さんの “Claris Engage Japan に登壇してよかったこと”

取材いただいたブログと合わせて、認知していただけるきっかけになっています。初めてお会いする方が事前にセッション動画を見ていただいていることも多く、オンラインでのコミュニケーションに役に立っていると思います。

Next Generation Developer 枠ということで、登壇前に動画のフィードバック、レクチャーをいただき、そこで少しコツを掴むことができたので、その後自分の Youtube チャンネルでもスライド動画を作ってアップしています。

そして、自分でもあとから登壇動画をみると初心を思い出します。良いタイミングで登壇させていただいたと思っています。


JSON 関数でより快適な開発を。

3 人目は、パットシステムソリューションズ有限会社のエンジニアである深田 尚史さんです。もともとユーザ企業の担当者として Claris FileMaker に出会いましたが、社内システムの内製開発に携わったことがきっかけとなり、エンジニアに転身。プロの開発者として活躍する深田さんのセッションは、 JSON 関数をテーマにした技術セッションでした。

JSON とは何か、どのような場面で JSON が活躍するのか、具体的な書き方、使い方などの JSON 関数の基礎から、応用編のテクニックまで、とてもわかりやすい例や図解を使って解説。デモ画面の操作を交えて、丁寧に解説されるので JSON を使ったことのない方にもわかりやすいのではないでしょうか。 JSON 関数を使ってみたい、と思う方はぜひ実際のセッションを視聴してみてください。

JSON 関数をテーマにした技術セッション

セッション「45分でわかる!JSON関数」を視聴する

インタビュー記事「IT エンジニアへの転職が諦めかけた夢を叶えてくれた」を読む

深田さんの “Claris Engage Japan に登壇してよかったこと”

以前は、登壇のような発表する立場になることを避けてきましたが、FileMakerカンファレンスに参加し、ベテランの方のセッションで憧れるセッションをいくつも拝見するうち、「あんなようにセッションをできるようになりたい」「もっとFileMakerを盛り上げたい」と思うようになりました。

登壇の準備は想像した通りにはいかず苦労も多く、実際のセッションも後で見ると反省点が多かったです。しかし登壇を通して、日々を過ごす中で経験できないものを体験できたこと、伝えることを意識することで知識の向上に繋がったこと、いかに分かりやすく伝えるかを改めて意識する機会となったことなど得たものは大きかったです。

経験したことがないことに挑戦することは誰でも怖いものですが、私は「こんな経験する機会をさせてもらえること自体が貴重」だと考え方を変えることで登壇することができました。

経験できるチャンスが目の前にあります。もちろん失敗することもあります。落ち込むこともあるかと思います。それも良い経験なのだと私は思います。苦手だからこそ一歩踏み出してみてください。

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前半となる今回は、3 名の Next Generation Developer セッションをご紹介しました。

人気温泉旅館の支配人をしながら FileMaker でシステムを内製構築した佐々木さん。組織内の業務効率化、デジタル化に止まらず、予防医療や病気の早期発見など、この国の未来を見据えて活動する瀬木さん。ユーザとして FileMaker に出会い、今ではお客様から信頼されるプロの開発者として活躍する深田さん。どのセッションもとても見応えのあるものでした。

後半では、組織内のほぼ全てのシステムを FileMaker で内製し、テレワークの先駆者としても評価されている全日本ピアノ指導者協会の若手エンジニアによるセッションと、Claris パートナー企業でプロの開発者として活躍する香港出身のエンジニアのセッションをご紹介します。お楽しみに。

【セッションスピーカー公募について】

Claris Engage Japan 2021 では、Next Generation Developer のセッションおよびユーザ事例セッションのスピーカーを一般公募いたします。平成生まれの若きエンジニアの方、また FileMaker の導入事例をご紹介いただける FileMaker ユーザのみなさまのご応募をお待ちしております。

応募締め切り:2021 年 7 月 26 日正午

詳細はこちらのページをご覧ください。