ニュースリリース

北海道ブランドを物流インフラで支えるホクレン運輸の安全への取り組み

2022 年 2 月 10 日 – ローコード開発プラットフォームを提供する Claris International Inc.(本社:米国 カリフォルニア州)は、ホクレン運輸株式会社(北海道)が導入した、ローコード開発プラットフォーム Claris FileMaker を活用した DX 成功事例を発表しました。同社では運輸業に不可欠な車両の保守・修理、配車に関わる情報を複数拠点間での一元管理や、運輸業特有の複雑なドライバーの勤怠管理を Claris FileMaker で行い、輸送の安全およびドライバーの安全を確保しています。

背景:

全国 1 位の生乳生産量を誇る北海道において、主に (1)生乳などの乳製品、(2)家畜の飼料、(3)石油製品の輸送で物流インフラを支えるホクレン運輸の業務は、輸送品目や車両の特性、乗務員の運転資格など管理情報が複雑であり、管理項目は多岐に渡ります。また、運輸業のドライバーの勤怠管理は非常に複雑で、厚生労働省労働基準局で定められている「自動車運転者の労働時間等の改善の基準」を遵守し、ドライバーおよび運輸の安全を確保する必要があります。

ホクレン運輸では、以前は外部のシステム開発会社に委託し構築されたシステムと、複数のスプレッドシート、紙を組み合わせ、複雑な情報の管理を行っていました。電話や FAX による運用も多く、業務効率化およびデータの一元化が求められていましたが、外部に開発委託すると、どうしても改修に時間とコストがかかってしまうという課題がありました。そこで、ローコード開発プラットフォームである Claris FileMaker を活用して独自のアプリケーションを内製開発し、データの一元化、業務効率化、働き方改革を実現、運輸業における DX に成功しました。

導入効果:

  • 車両の保守、修理の社内申請書類のデジタル化と一元管理

すべての輸送業務に欠かせない車両の保守、修理に関わる情報を FileMaker で一元管理し、FileMaker Server の利用により、東京営業所を含む複数拠点で共有できるようになりました。FileMaker で申請書類を作成すると同時に予算、経費も集計されるという自動化も実現しています。

  • 運輸業特有の複雑なドライバーの労務管理を FileMaker でデジタル化

労働時間、休憩時間から成る拘束時間、勤務終了から次の勤務までの休息期間など、運輸業特有の複雑なドライバーの勤怠管理をすべて FileMaker でデジタル管理することで、厚生労働省の労働基準を確実に遵守。また、ドライバーの社員台帳、健康診断、適正診断、教育指導記録、残業時間管理、有給取得義務の遂行状況などもすべて FileMaker 上で管理し、安全輸送の維持に寄与しています。

運輸業特有の複雑なドライバー勤怠管理を FileMaker で実現

  • LINE と連携した配送指示でドライバーの睡眠・休憩時間を確保

FileMaker の cURL 連携の機能で LINE Notify と連携させ、ボタンの 1 クリックでドライバーに対して LINE で次の配送指示を出せるように。 電話で行っていたドライバーへの配送指示を LINE での通知に変更することで、ドライバーは十分に休憩を取ったり、家族と過ごす時間を邪魔されることなく、好きな時間に指示を確認できるようになりました。連絡をする側の時間も大幅に削減されました。

  • 事業単位のコスト管理を効率化

ETC 高速料金をダウンロードした CSV から取り込んで照合確認するなど、あらゆる項目をデジタル管理することにより、事業単位でのコスト、運搬取扱量、採算管理を実現しています。

同社苫小牧支店 で、FileMaker の導入および内製開発を担当した 新 昇二氏は以下のように述べています。

「FileMaker の導入により大幅に業務が効率化され、また業務が可視化されました。大きな業務システムでは、少しの変更でも開発会社に払う費用も時間もかかりますが、FileMaker を利用することで、柔軟にシステムを改善でき、かゆいところに手が届きます。特に中小企業にとっては、開発費用を抑えることが重要です。その点でも FileMaker で内製開発し、ローコストで運用できるメリットは大きいです。」

  • 顧客からの飼料輸送依頼を Web ベースに移行、業務の大幅な効率化に成功

以前は電話と FAX で受け付けていた顧客からの飼料輸送依頼を FileMaker WebDirect で構築したシステム「飼料輸送依頼システム」に移行、顧客が直接 Web ブラウザから依頼を入力できるようになりました。

「飼料輸送依頼システム」は、ホクレン運輸内部で使用する「飼料輸送配送管理システム」と連携しており、顧客側は依頼後に自分で配車ステータスが確認できるというメリット、ホクレン運輸側は注文受付が “ChatWork” の配車メンバーグループチャットで通知され、受注から配車までシームレスに管理できるというメリットがあります。また、FAX での運用ではどうしても発生してしまう、受付時間を過ぎてからの注文は、Web システムにすることで自動的に受け付けないようにできるため、調整に要していた手間と時間を大幅に削減することに成功し、従業員の働き方改革を実現しています。

Web ブラウザから顧客が輸送依頼を直接行えるため、顧客、スタッフ双方の業務が効率化される

大学在学中に FileMaker を学び、同社苫小牧支店 業務課に配属後、入社から 2 年で、新たな Web ベースの「飼料輸送依頼システム」を FileMaker で構築した高橋 勝輝氏は FileMaker について次のように述べています。

「画面の作りやすさやシステムの構成、プログラミングのしやすさが他のプログラミング言語に比べて圧倒的に優れていて、簡単にアプリケーションを作れることに感動しました。」

本事例の詳細とビデオはこちらからご覧いただけます。

https://www.claris.com/ja/customers/stories/hokuren-unyu

Claris FileMaker について

「パワフルなテクノロジーをすべての人へ」というビジョンのもと開発された「Claris FileMaker」は、あらゆる業務で自社の課題を解決するカスタム App を作成・展開することができる、ローコード開発プラットフォームです。直感的な UI で、あらかじめ用意されたテンプレートや日本語のスクリプトを組み合わせることで、独自のカスタム App をすばやく構築できます。

作成したカスタム App は、Mac、Windows、iOS といった各種 OS や、Web ブラウザ上でシームレスに実行でき、クラウドやオンプレミスでリアルタイムに共有できるほか、オフラインでも利用可能であり、あらゆる環境で安全に情報を保存・共有することができます。また、IoT、AI といった先進的なテクノロジーに対応し、さまざまなアプリケーションおよび Web サービスとも連携でき、高速開発が可能なことから、“限界のないローコード”としてプロの開発者にも選ばれています。

Claris International Inc. について

Claris International Inc. は短期間のローコード開発が可能な世界トップクラスのプラットフォームを開発し、 規模を問わずあらゆる企業でデジタルトランスフォーメーションを実現できるように、問題解決者を支援する一連のサービスを提供しています。中小企業とフォーチュン 500 企業で 130 万人以上のユーザに利用されています。Apple company の一員である Claris は 20 年以上にわたってビジネスを成功させてきた比類のない実績を持ち、イギリス、中国、オーストラリアなど世界各地で事業を展開しています。クラリス・ジャパン株式会社は 2020 年 9 月 1 日付で Apple Japan, Inc. と合併し、日本国内における Claris 製品を Apple Japan, Inc. が販売しています。

Claris FileMaker: https://www.claris.com/ja/filemaker/

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