開発者インタビュー

初心者からのインハウス開発。ローコード開発が助けるその道のり。

幼稚園から大学、社会人教育まで、幅広い教育機関に向けた教材や Web サービスを開発、販売している株式会社アクティブブレインズ。同社、事業開発室マネージャーの平山理理さんは、全くプログラミングの知識がない状態からインハウス開発をスタートし、ご自身で開発したソリューションをお客様に提供するまでになりました。開発者デビューまでの道のりとローコード開発の魅力をうかがいました。

プログラミングに触れたことのない状態からの開発スタート。

弊社の事業内容は、教育サポート事業と教育機関向けのソリューション開発事業で、主に教育機関向けの Web サービスの開発やパッケージ販売を行っています。

最近では、お取引のある大学や高校、中学校などの学校様からのご依頼で、オーダーメイドのシステムを開発することもあります。直近では大学の論文審査システムや、私立中学校の進路指導システムを開発しました。

もともと当社は委託開発を請け負っておらず、お客様から最初にご依頼を受けた際はアウトソースも検討しましたが、納期や予算を考慮し、インハウス で開発することになりました。その際、ゼロからシステムを作り上げていくよりも、プラットフォームとしての基盤がしっかりしているものを活用した方が良い、スピーディな開発が実現できて、高品質な機能の実装が簡単にできる FileMaker が最適でしょう、と長年の FileMaker ユーザである社長からのアドバイスがあり、まずは私が Claris 主催の無料体験セミナー(*1)に行ってみることに。体験セミナーで、これなら使えそうと手応えを感じましたが、その時はまだ、開発は他の社員がするものだと思っていました。ICT の会社にいますが、私自身はもともとエンジニアではなく、まさか自分がシステム開発をするなんて思ってもいなかったんです。しかし、「FileMaker なら絶対できるから大丈夫」という社長の後押しがあり、プログラミングに全く関わったことのなかった私が、開発を担当することになりました。

(*1)Claris が主催する初心者向けの体験セミナー。講師の進行のもと、約 3 時間で、iPad で利用できるビジネスアプリケーションを FileMaker を使って作成することができる、ハンズオン形式の無料セミナーです。全国各地で開催されています。セミナーの様子はこちらのブログをご覧ください。

使いやすい UI と充実したサポートが開発を加速させる。

体験セミナーで基本的な操作はしてみたものの、実際の案件となるとそう簡単にはいきません。わからない部分は、 Claris コミュニティで調べたり、社長に聞いたり。試行錯誤しながら、開発を始めました。

自分で頑張ってみて、どうしてもわからない部分は Claris が提供している「 15 分トレーニング」を活用しました。 1 回 15 分、 FileMaker のプロフェッショナルにお悩み相談をすると、自分の手で解決できるように、リモートでレクチャーしてくれます。

初めて受講する前は、きっと状況説明だけで 5 分くらい使ってしまうだろうし、15 分でどこまでできるんだろう?と思っていました。いざトレーニングを受けてみると、1 分足らずで状況を理解していただき、あっという間に解決法を指導してもらえ、本当に驚いたのを覚えています。有償なので、1 日とことん考え、調べて、それでも解決の糸口が掴めない時に利用するようにしています。初心者でも安心して開発できる充実したサポート体制があるのは素晴らしいですね。

独学で学び、様々なサポートを得ながら完成したのが、ある私立中学の進路指導システムです。進学校なので、受験シーズンになると、先生方は本当に複雑で膨大な業務が求められます。受験校の確認、成績を元にした合格率の計算、受験日や願書提出などのスケジュール管理、それに伴う書類の作成など。以前は Excel で管理されていたのですが、そういった多くのデータを管理するため、複雑な計算式が多く使われていました。

Excel は、ユーザには見せたくない計算式なども全部表示されてしまいますよね。そのため、担任の先生方は間違えて計算式を書き換えてしまうのが怖くて下手に触ることができず、Excel ファイルを作成した進路指導の先生にだけ作業負荷がかかるという課題を抱えていました。

FileMaker なら、ユーザが編集しても良い項目だけを表示させることができるので誤操作を防げますし、計算式が表に出てこないので見た目もすっきりします。 FileMaker で構築したシステムの導入により、誰もが安心して使用でき、管理のしやすい環境を実現し、課題を解決できました。成績管理や受験校管理のみならず、志願票の宛名シールの簡単作成機能や、受験用のカレンダーも作成しました。まさにかゆいところに手がとどくシステムを提供でき、先生方から感謝されました。

複雑な計算式を表に出さないことで、ヒューマンエラーや誤操作を防ぐ工夫も。

書類の提出日や、締め切り、受験校が一目でわかる見やすいレイアウトで開発。

FileMaker のユーザーになってまだ間もないですが、いちばんの魅力は、その UI にあると思います。全くプログラミングに縁がなく、言語もわからない私にとっては、機能を選択して並べ、直感的にレイアウトを完成させられるローコードのプラットフォームはとても助かりました。また、学校関係の案件は、システムの機能だけでなく、アカウントの管理、ログインの機能の実装に苦労することが多いのですが、その点 FileMaker の場合は、チェックボックスにチェックをつけるだけで簡単にアカウント設定できる機能があらかじめ用意されていることが嬉しいですね。

プログラミングの第一歩は、 FileMaker から。

今後は、社内用のシステムを開発しようと考えています。顧客管理から、ライセンス、備品の管理など、今は他のシステムで管理していますが、なかなかしっくりこないんです。こういった社内業務も一括で管理できるようになれば、業務が効率化されます。

まだまだ学べる部分が大きい FileMaker なので、どこまで自分の力で、そのポテンシャルを引き出せるか試してみたいという楽しみもあります。今後もさらに勉強していきたいと考えています。

11 月には、 FileMaker 選手権が開催されるとのことですが、ぜひ初めての方に挑戦してほしいですね。私自身、全く基礎知識がなくとも、業務で使えるクオリティのシステムを作ることができたんです。 FileMaker を使うことによって、お客様の課題や要望をうかがうヒアリングから、設計、開発まで全体的なアプリ開発の流れを把握することができたのは、大きな収穫です。FileMaker をきっかけに、他の言語や先端技術にも挑戦してみようという気持ちになりました。プログラミングは学んでみたいけどハードルが高い、そう感じている人には、最適なプラットフォームだと思います。

【編集後記】

開発経験ゼロからのスタートで、壁にぶつかっても、まずは自分でとことん考え、調べ、プロに質問し、さまざまな手を尽くして課題を解決する平山さん。その前向きな姿勢と、FileMaker というローコード開発プラットフォームとがうまく融合し、本当に使いやすいシステムが完成したのだと、お話をうかがって感じました。学校のエンブレムカラーを用いた、目に優しい色合いのレイアウトからも、長時間操作を行う先生方のストレスを軽減するための配慮が伝わってきます。全く開発経験がない状態からスタートし、お客様に喜ばれるシステムを作り上げるまでになった平山さんのお話は、これからエンジニアへのはじめの第一歩を踏み出そうと思っている方々の背中を押してくれるのではないでしょうか。


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