事例

078KOBE システムをローコード開発

078KOBE 公式 Web サイトより

”若者に選ばれる街” 神戸発 - 078KOBE

078KOBE とは、都市生活の面白み、心地よさを追求する市民・クリエイター・エンジニアが集い、交わることで作り上げる参加型フェスティバルです。神戸を代表するイベントに成長させて行きたいという想いから神戸市の市外局番である 078 を名前に付け、音楽×映画×IT×食×ファッション×子ども×アニメ などのテーマを掛け合わせたライブ、カンファレンス、展示会(トレードショー)を開催しています。2017 年に始まったこのイベントは今年で 4 回目を迎えます。

地元の神戸で育ち、現在は地図サービスの会社:iC(アイシー)株式会社を経営する 佐合 純さんは、このイベントに 2018 年からボランティアとして参加しています。078KOBE は様々な組織から集まったメンバーがボランティアで推進しており、佐合さんもその一人。昨年からは IT(INTERACTIVE)部門の事務局運営スタッフとして参加し、今年は同部門の広報としても事務局の運営に携わっています。

アナログな事務のデジタル化は、ローコード開発で

イベント管理では、登壇者や出展者の申し込み受付やスケジュール、協賛金などさまざまな事務処理を扱いますが、昨年まではすべて紙や Excel で管理されていたそう。

「協賛やイベント出展者などの申し込みは FAX で受け付けて、それを今度は Excel に手入力し、原本の書類をファイリングする。問い合わせを受けても、書類を探すのに時間がかかったり、本当に多くの手間と時間を費やしていました。私が事務局のお手伝いするのであれば、もう少し効率化を図ってペーパーレス化したいと思い、今年は FileMaker を使うことを提案したんです。」(佐合さん)

078KOBEのような大規模イベントでは扱う情報量も多く、紙ベースの事務処理では手間も時間もかかる。

佐合さんが自社の事業で使っているローコード開発プラットフォームの FileMaker で作成した事務局の運営アプリは、3 日ほどで完成。FileMaker Cloud で展開し、スタッフはどこからでも必要な情報にアクセスできるようにしました。

すると、それまで紙や Excel での事務処理に費やしていた時間が浮き、仕事の進捗も可視化されました。

アプリでは、協賛金額や、入金のステータス、各業務の進捗状況などで絞り込みができるほか、スタッフの担当業務に合わせて複数のレイアウトが用意されており、それぞれが必要な情報だけを表示できます。

「事務局の方々が一番恐れているのは、自分が担当している業務の取りこぼしや、確認ミスです。それを防ぐために、タスクも全てデジタル化しました。一元管理することによる安心感も生まれ、検索性もぐんと上がりました。」(佐合さん)

佐合さんが作成したアプリの画面。協賛・出展企業の情報が一目でわかる他、ロゴや必要書類もダウンロードできる。

また、FAX で受け付けていた協賛や登壇、出展の申し込みもデジタル化しました。実は協賛企業はイベント全体の事務局、出展企業は IT(INTERACTIVE)事務局と受付が分かれており、昨年まではその情報共有は Excel で行われていたためタイムラグが発生していました。佐合さんは Web システムの開発者ではありませんが、 FileMaker がローコード開発で対応している WebDirect の機能で Web の申し込みフォームを実装。入力された情報は即座に FileMaker に反映され、今年はリアルタイムな連携が可能になりました。

さらに、コミュニケーションツール「Chatwork」とも連携。Webからの申し込みがあるとスタッフに Chatwork の通知が行き、ChatWork 内で指示をすることで、外出先からでも必要最低限のクリックでワークフローが流れる仕組みにしました。

「本業の傍らで効率的に事務局運営のお手伝いができているのは、まさに FileMaker プラットフォームと、ChatWorkによる 連携自動化のおかげです」

Web 申し込みがあると ChatWork に通知される。

スタッフから感謝されているというイベント事務のデジタル化は、アジャイル開発が可能な FileMaker があってこそ、と佐合さんは話します。

「システムを作るときには、実際の業務をヒヤリングしますが、実は事前に業務を全部洗い出すって相当難しいことなんです。ほとんど無意識にやっている作業や、言語化できなかった作業は必ず後から出てきます。それが原因で、現場では使えないシステムと判断されて、結局作った意味がないと思われてしまう場合もあります。その点、FileMaker であれば、アジャイル開発で後からいくらでも機能を追加したり修正したりできるので、現場のニーズに柔軟に対応できます。1 度で完璧なものはなかなか作れないので、その都度調整できるのはありがたいですね。」

オンライン取材で、9月5-6日に開催される 078KOBE の意気込みを語ってくれました

新型コロナウイルス感染拡大に伴い、078KOBE は 2020 年 3 月に急遽オンラインを中心としたイベントに変更になりましたが、それまでにシステム化を進めていたこともあり、速やかに出展中止企業などの対応を行えているそうです。

事務局は出演者への謝金の支払いも行なっていますが、078KOBE には神戸市・文化庁も関係する政府補助金が使われているため、口座情報だけでなく本人確認書類も管理する必要があります。

FileMaker Cloud は 3 省ガイドラインに準拠したインフラであり、保存された本人確認書類は暗号化され、機密情報等はマスキングされるような仕組みになっていること、またサーバ運用やセキュリティについてはClaris International が管理していることから、佐合さんご自身はセキュリティに不安を持つこともなく、現場に必要なローコード開発に専念できているといいます。

大好きな地元 神戸に貢献したい、と078KOBE 広報担当としてボランティア参加している佐合さん。

「ぜひ多くの方に 078 KOBE に参加していただき、自分の生活の先にある未来と IT がどうつながっていくか、ということをもっと知ってもらいたいと思っています。IT の技術がすごいのではなく、その技術を活用して変わる未来がすごい。そのことをぜひ、体感してもらいたいです。」

まだまだ改善できることはたくさんあるので、来年も 078KOBEで 新しい仲間たちとイノベーションをおこして行きたいと意気込みを語ってくれました。

078KOBEは、下記のサイトで、2020年9月5日〜6日に開催されます。

オンラインで全国どこからでも参加できるので、IT 業界の著名人によるトークイベントなど見どころ満載で、インタラクティブなイベントにぜひ参加してみてはいかがでしょうか。

https://2020.078kobe.jp/

078KOBE 2020 の公式 Web サイトより

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