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これからの入り口。オンラインセミナーを新たなチャネルとして活用。

新型コロナ感染症予防でさまざまなイベントが中止となる中、Claris パートナーのトップオフィスシステム株式会社は、いち早くオンラインでのセミナー実施を決断しました。同社の代表取締役 池田 栄司さんは元々月に 1 度、iOS で使用できる業務システムの作成を体験できる、Claris 社主催のハンズオンセミナーの講師を担当されていました。リアルからオンラインに切り替えてみて、何が起こったのか。実際の取組みを取材しました。

こんな時勢だからこそ、自分たちにできることはなにか。

ハンズオンセミナーも新型コロナ感染症の影響を受け、3 月頃から徐々に中止となりました。はじめは、ハンズオンセミナーを通じていろんな方と出会えるという楽しみが急に奪われてしまった、という悲しさでいっぱいでした。そんな中でも、今当社ができることはないだろうかと考えた結果、プロ野球の無観客試合をヒントにオンラインセミナーを開催することにしました。

ちょうど同時期の報道で、テレワークに入った直後で意外と時間を持て余してる方が多いという話を耳にしたのも、理由の 1 つです。

オンラインセミナーに参加いただいた方の中には、職業柄今仕事ができず、当社以外にもいろいろなオンラインセミナーを立て続けに受けているという方もいらっしゃいました。ピンチをチャンスに変えるように、今は技術を取得して、スキルを身につけるには良い時期なのだと思います。

Claris FileMaker であれば、自分で自分の仕事を楽にできます。初めて開発する時は、私たちのようなパートナーに外注してもいいですし、セミナーで学んで作ってみてもいい。学びたい、というユーザさんを積極的に支援する態勢はクラリス・ジャパンにも Claris パートナー 一同にもあります。ゆくゆくは、業務改善といえば FileMaker、というくらいの選択肢になっていくと良いなと思います。今まで自分がお世話になってきた業界へ恩返しというと、少し大げさかもしれませんが、できることで何か返したいという思いは常にあります。

トップオフィスシステム株式会社 代表取締役 池田 栄司さん。日本最大の Claris FileMaker イベントである FileMaker カンファレンスでもスピーカーとして登壇している。

今、使えるシステムを、すぐ作れるセミナー。

今の状況で、参加者の方がすぐに活用できるような内容をと考え、全 3 回を通してアプリを一緒に完成させるという構成で実施しました。

1 回目でまず顧客管理を、2 回目には日報を、3 回目には見積書がつくれる機能の開発をレクチャーをしました。FileMaker で見積書を作ってアップしておけば、営業の方は社外からアクセスして仕事ができます。毎回社内に問い合わせをする必要がないので、必ず誰かが会社にいなければならないという状況をなくせるかもしれません。また、訪問履歴や見積書が記録に残るようにしておけば、経営者側も、従業員の仕事の状況を確認できます。経営者は、社員に報告を求めなくても、机の前に座って FileMaker を開いておけば、社員が何をしていたか、どこまで進んでいるか、ひと目で確認することができます。

実はこれ、当社内の課題解決のために作ったシステムを活用しています。かねてから進めていた業務効率化の 1 つがこのシステムだったのですが、このタイミングで大変役に立ちました。当社は、3 月からテレワークを始めましたが、非常にスムーズ移行できました。

オンラインセミナーを実施した時の様子

距離を超えてつながる、夢のあるこれから。

相手の顔が見えない点は、とても難しいですね。リアルの場でのハンズオン形式であれば皆さんの表情や手元を見ながらペースを調整したり、アドリブを聞かせながら進められます。オンラインとなると、1 人でカラオケをやっているような感じです。まわりの方の反応が見えない。しかも参加者の半数の方が初めて FileMaker を触った初心者の方でした。そういった環境を経験して、オンラインならではの難しさにも気づくことができました。特に、参加者が受け身になってしまう点は改善していきたいと思います。

一方で、良い点もありました。弊社の拠点は大阪なので、オフラインイベントでは、どうしてもお会いできるのは近隣の県の方に限られます。北海道のような遠方からいらっしゃることは、まずありえません。オンラインイベントでは、本当にいろんな地域の、幅広い世代の方が参加してくださいました。中には九州の学生さんもいらっしゃいました。様々な地域の方々にご参加いただいて、これからはオンラインの時代になっていくことを体感しました。

色々お話しましたが、やっぱりセミナーはセミナーですし、打ち合わせは打ち合わせだな、と感じました。同じ空間にいるかいないかの違いだけだと思います。

もし、オンラインイベントをやってみたいけど不安を感じているような方がいらっしゃれば、Zoom 飲み会でも良いですし、まずは小規模で、身内で実施できるオンラインの集まりで試してみればいいと思います。普段会話しているのと変わらないよね、と感じられたら、セミナーを実施してみられると良いです。

最初から 200 人も集めるようなセミナーは大変です。オンラインツールもZoom が良いのか、Webex がいいのか色々試してみて、使い勝手の良いものを採用されるのが 1 番ですね。

[編集後記]

社会の変化に対してまず「自分たちにできることはないだろうか」と考える。そして、これまで経験がないことでも、まずは行動に移してみて可能性を見出していく。その中で見えてきたのは、リアルかオンラインかという違いがあったとしても、イベントの目的や本質は変わらないということなのではないでしょうか。

「どうしたらもっと参加者に満足してもらえるのか」を考え続けている池田さん。回を重ねていくごとに、オンラインイベントの内容もアップデートされていくことが想像でき、話を聞きながらワクワクしました。また、ご自身が業務改善で役に立った FileMaker を多くの人に知ってもらうことで、課題解決ができる人が増えて欲しいという温かい想いも伝わるインタビューとなりました。


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