アメリカ、イリノイ州の Glenbrook High School District (グレンブルック高校学区) は、長年にわたる文化的な取り組みが高く評価されていますが、近年、名声の裏でさまざまな課題に直面していました。管理業務の多くが紙ベースで行われており、職員の負担増加など、組織運営の妨げになっていたのです。
しかし、Claris Platinum パートナーの Soliant Consulting 社と出会ったことで、状況は一変しました。1 つの開発案件から始まった取り組みは、やがて長期的なパートナーシップへと発展。現在では複数の業務領域にわたってカスタム App を展開し、学校全体の業務改革を継続的に推進しています。
財務管理の業務を刷新
まず手がけたソリューションの 1 つは、金融投資に関するものでした。Soliant Consulting 社が Claris FileMaker Pro で開発したカスタム App によって、担当者は、投資データの入力・更新に加え、銀行側が提供する CSV や Excel ファイルを直接取り込んでレポートを自動生成できるようになりました。
従来のシステムでは、銀行のレコードを添付する、古い投資データをアーカイブする等の面倒な作業に悩まされていましたが、カスタム App によってこれらすべてが自動化されました。このカスタム App には、直感的に使える強力な監査機能やレポート機能もあり、当年度やそれ以降の投資利息を把握して、教育機関に求められる厳格な会計監査やコンプライアンス要件にも、スムーズに対応できる体制が整いました。
さらに、管理部門が現在の投資状況を簡単に追跡、報告できる Web ポータルも導入されました。このポータルでは、新規案件、満期報告書、終了済み案件を確認することもできます。
学生イベント開催時の対応を合理化
高校にはプロムのほか、さまざまなイベントがありますが、その運営を合理化するカスタム App を FileMaker で開発しました。学生 ID に購入済みチケットをリンクさせることで、学生は、会場のイベントキオスクでスマートフォン画面をかざすだけで入退場できるようになり、受付の混雑や待ち時間も大幅に削減されました。教職員には、リアルタイムで通知が送られるため、状況把握が可能になりセキュリティ向上につながっています。
このカスタム App は、個々のイベント運営を超えた成果を生み出しており、管理部門では、会場での人の流れを把握して動線を改善し、緊急時の迅速な対応が可能になりました。
学生のトラッキングで安全を確保し、業務効率も向上
イベント向けカスタム App 導入での成功を受け、日々の学校運営に対しても同様のカスタム App が FileMaker で開発され、次のような情報を把握できるようにしたのです。
- 校内施設の入退出を記録し、学生の現在地をリアルタイムで把握
- スクールバス乗車時に本人確認を実施し、正確な乗車人数を把握
- 遅刻を記録し、自動でアラートを送信するとともに、傾向を追跡
管理部門では、このカスタム App を通じてログを取得し、現在キャンパスに誰が残っているのか、何人残っているのかを FileMaker 上で確認できます。これは、緊急事態発生時にキャンパスにいる学生を把握する上でも重要な情報です。
学生 ID カードの管理を自動化
続いて取り組んだのは、ID カードに関するカスタム App でした。年度初めや転入時に大量発行するIDカード業務は、職員にとって大きな負担となっていました。開発したカスタム App では、学生情報管理システムから自動的にFileMaker側にデータが取得され ID カードプリンタに直接送信されます。また、セルフサービスで写真を変更したり、ID カードをスマートフォンに登録して使用することも可能になりました。 ID カードをデジタル化してスマートフォンに組み込めるようにしたことで、ID 紛失時の対応の負荷も軽減されています。
入学手続きを容易に
学区に新たに転入し、入学手続きを進める保護者のためのカスタム App も FileMaker で開発しました。保護者は、ダッシュボードで書類のアップロード、フォームへの記入のほか、処理の進捗を確認できます。各種通知は自動化され、手続きに必要な書類はドキュメントハブにまとめられます。作業はシンプルになり、データも整理された状態に保てるようになりました。
サマースクールやサマーキャンプの登録も自動化
さらに、サマースクールやサマーキャンプの登録に関する業務でも FileMaker を使って カスタム App を開発し、同様の機能を実装しました。管理部門では、プログラムの設定や調整が容易になり、待機リストも管理できるようになりました。学区外の学生がコミュニティメンバーとして参加登録する際の処理も合理化されました。
教育機関向けの包括的なカスタム App パッケージで効率化を進める
Claris FileMaker で構築されている カスタム App 統合パッケージ は、業務効率化、セキュリティの強化、運営の簡素化などを実現しながら成長を続け、教育機関の業務フローを刷新します。Glenbrook High School District では、導入早期での成功を足がかりに全組織での自動化へと舵を切り、カスタム App の利用は年を追うごとに拡大しています。
Claris FileMaker は、教育現場の業務課題に合わせて柔軟にカスタマイズできるローコード開発プラットフォームとして、多くの教育機関で活用されています。まずは小さな業務改善からでも構いません。ぜひ、学校現場のお困りごとについてお気軽にご相談ください。
日本国内においては、PBL(Project Based Learning:課題解決型学習)や、総合的な探究、情報システム演習、アプリケーション開発学習を実施する教育機関向けに、Claris FileMaker キャンパスプログラムを通じて、FileMaker 認定講師派遣や無償ライセンスの提供を行なっています。