放送番組制作における MVP

有料テレビスポーツチャンネル ESPN オランダ の業務進捗は非常に速く、さまざまなスポーツ、チャンネル提供のみならず、時差をまたいだイベントも繰り広げられています。番組の放送計画は数か月にわたり、さらにコメンテーターやオペレーター、制作クルー、アナリスト、外部制作パートナー企業に影響を与えるような、どうしても避けられない土壇場での変更にも対応しながら綿密に遂行する必要があります。

一発勝負の試合、プレーオフ、あるいは他のスポーツ競技など、視聴者がどのチャンネルを視聴しているかにかかわらず、ESPN オランダのメンバーはその裏で世界中の多くのファンがイベントを楽しめるように精力的に働いています。

そして、彼らの活躍を支えているのが Claris FileMaker です。

ヒューマンエラーを起こせない放送業界

多くの企業では、運用プロセスに関して継続的な改善の余地があり、ESPN オランダも例外ではありませんでした。ファイルサーバー上で共有している Excelで広範な番組制作を管理することは、効率的ではなく、拡張性もありませんでした。そして何より、ヒューマンエラーへの入口でもあったのです。

「当社ではスタジオ、プログラミング部門、スタジアム、外部制作パートナー企業の人々と一丸となって、大規模な共同運営をおこなっています」と、ESPN オランダのプランニングおよびスケジューリングマネージャーであるマーク・ヴァン・エンクグルト氏 は説明します。「各放送番組のオンエアの詳細情報は多岐にわたり、1 つの小さな変更が大きな影響を与えるおそれがあります。たった 1 つのカット＆ペーストの間違いが、イベント全体を狂わせてしまうこともあるのです」

一年中スポーツイベントの生中継があるため、24 時間 365 日の運用をサポートしながら、全員が同じリアルタイムデータで作業し、変更の自動通知を受け取り、重複や冗長を防ぐ方法が必要でした。

開発のプロを招く

ESPN オランダチームは、スタッフや部門の枠を超えて大量のデータをまとめ、作業の元となるカスタムデータベースを構築したいと考えていましたが、その方法は単純ではありませんでした。そこで、ESPN オランダはソフトウェア開発会社で Claris Platinum パートナー Kempen Automatisering 社の社長、ウィレム・ヤン・ケンペン氏からその解決法を得ました。

「ESPN オランダ は、社内にデータが散在しており、とても苦労していました。彼らのビジネスをサポートするためには、広範なシステムを必要としていました。さらにWeb モジュールやサードパーティのサービスとの統合を視野に入れており、最初のデータベースは彼らの目指すゴールの始まりに過ぎなかったのです」とケンペン氏は語ります。「Claris FileMaker は 短期間の開発サイクル、パワー、柔軟性、安定性を提供してくれ、ESPN オランダのような組織に必要な高速アプリケーション開発環境です」

信頼できる唯一の情報源からスタート

Claris パートナーとの関わりは、同じ放送に携わる複数のチームの情報を合理化し、送信と録画を 1 か所に集めて、制作の可視化を必要とするすべての人がアクセスできるようにするという差し迫ったニーズから生まれました。Kempen Automatisering 社は FileMaker を利用して、さまざまなユースケースに合わせてカスタマイズし、拡張可能な、コアシステムを中核に据えました。そこから、ESPN オランダのシステムは軌道に乗り始めました。

「同じ正確な情報に基づいて、さまざまなレイアウトとビューが用意されており、変更は関連するドキュメントとビュー全体に反映されます」と、ESPN オランダのリエン・ヤンソン氏は述べています。「当社ではタレントプランニング、イベントスケジューリング、配信、オペレーターとディレクターのプランニングに、このシステムを利用しています」

次は統合と Web モジュール

Kempen のチームが新しいワークフローを作成し、複数のデータソースを接続したことで、ESPN オランダのシステムは急速に進化しました。ESPN オランダには現在、さまざまな計画と制作目的のために複数の Web ポータルがあり、さらなる開発計画も進行中です。さらに、このシステムはオランダの大手サードパーティ放送会社である NEP と統合され、オペレーターのニーズ、リソース、スケジュールに関する情報を共有しています。

スポーツのアジリティ（敏捷性）がまったく新しい意味を持つようになった

生中継では、一時停止ボタンを押して問題解決することはできません。綿密な計画が不可欠であり、システムにはリアルタイムで迅速な方向転換できる俊敏性が必要となります。FileMaker は次のような方法で放送業務をサポートしています：

• タイムラインのグラフィカルインターフェースにより、誰もが放送スポットの空き状況を見られます。
• 色分けされたプログラミングインターフェースは見やすく、未処理の項目にフラグを立てることができます。
• 広範な放送と計画の見通しと番組ドキュメントを Web にアクセスすることですぐに入手できます。
• 自動 SMS 通知によってコメンテーターとアナリストにスケジュールの変更に関する最新情報が伝えられます。
• SMS 通知により、軽微なものから緊急のものまで、インシデントレベルに応じてカスタマイズされた迅速なインシデント対応を提供します。
• コンテンツを即座にアップロードできるため、放送中のクルーが天候による遅延などの予期せぬ出来事に対応できます。

プランニングとスケジューリングを担当するマネージャーのエンクグルト氏は自動化された成果を実際に体験しました。「幅広い機能を 1 つのシステムから利用できるので、社内の従業員、外部パートナー、フリーランサーの時間を大幅に節約できます。FileMakerは、日々の仕事をワンスストップでおこなってくれます」

より多くのデータ、より多くのユーザ、より多くの価値

Kempen Automatisering 社のサポートを受け、ESPN オランダは FileMaker システムを進化させ続けています。ESPN オランダでは、24 時間 365 日の業務にさらなる価値を提供するために、さらに多くの ESPN パートナーとの新たな統合を望んでいます。

「FileMaker に出入りする情報が増えれば増えるほど、システムはより強固なものになります」と語るケンペン氏。「FileMaker は実際、完全なエクスペリエンスを提供しています。ESPN オランダのような組織は優れた開発者と FileMaker のパワフルなローコードツールにより、デジタルで働き方をより良く変えることができます」

Claris FileMaker でできること

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