特集

開発者の視野を何度も広げてくれる FileMaker の世界的祭典。

世界中の FileMaker 開発者が一同に会する祭典、Claris Engage (旧 FileMaker Developer Conference 通称:DevCon)。参加者からは、「世界 FileMaker 合宿」とも呼ばれるほど、刺激的な時間を過ごすことができる場だそうです。実際にどのようなことが得られるのでしょうか。16 年以上も参加しているという 3 名の開発者の方々に、Claris Engage の魅力や日本のカンファレンスとの違いなどお話をしていただきました。お話を伺ったのは、株式会社ジェネコム 代表取締役 高岡 幸生さん、TonicNote 株式会社 代表取締役 竹内 康二さん、株式会社 DBPowers 代表取締役 有賀 啓之さんです。

左から、株式会社ジェネコム 高岡 さん、TonicNote 株式会社 竹内 さん、株式会社 DBPowers 有賀さん

FileMaker の技術が共通言語となり、各国の開発者を繋げる場。

竹内:「私は、2001 年からずっと参加しているので、前回の 2019 年で 19 回目の DevCon になります。参加し続ける理由はいくつかありますが、その中でも大きなものは、まだ公になっていない最新の技術情報を得られることですね。将来的なロードマップや近未来にリリースされるであろう情報に触れ、次の新しい開発戦略を練るチャンスの場だと感じています。オフィシャルから得られる情報以外に、世界中から開発者が集まるので、エッジのきいた世界でもまだ少数の人しか試していないものについての話が活発に繰り広げられます。」

会場の様子

高岡:「本当に世界各国から集まりますよね。日本にいるとなかなか出会うことが無いような国の方にお会いしたこともあります。お互いに通じる言葉は少なくても、画面を見せ合ったり、紙に書いたりしながら、当日は堰を切ったようにコミュニケーションをとって交流をしています。情報収集と交流は DevCon に参加する大きな目的の 1 つになると思います。また、私は会社として広がりを持たせるきっかけにしたい想いもあり、DevCon が開催された過去 24 回のうち、19 回は複数の社員も連れていき、みんなで情報共有の場として活用しています。自分たちがお客様に提供している Claris FileMaker が世界的なプラットフォームであると肌で感じることで、個人のモチベーションにもつながりますし、会社全体のパワーをあげていくことにもつながっていると思っています。有賀さんはどうですか?」

展示ブース会場の様子

有賀:「 Claris FileMaker を利用した開発、支援がメインの業務となっていることから、DevCon がすべて、と言っても過言ではないくらい、私の中で大きなポジションを占めていますね。振り返ってみれば、参加回数16 回、パネルディスカッションを含めたセッション担当 4 回、と随分と楽しませてもらいました。そんなDevCon は 1 年間のエネルギーの源というか、自分が進もうとしている方向の後押しをしてくれる開発者や利用者、興味がある方々、そして勿論 Claris の皆さんがたくさん集まり、コミュニケーションがとれる刺激的な環境です。DevCon で交流した人が北海道まで遊びにきてくれたり、普段からコミュニケーションがはかれる関係性づくりができるのも大きな魅力だと思います。同じ空間で同じ時間を過ごすことが自身に大きな影響を与えてくれることも実感できます。」

世界中から集まる参加者のために用意された Area Tag : 参加バッチに貼り付ける

高岡:「開発者同士の交流がしやすいような工夫はかなりされていますよね。例えば、ランチタイムやセッションの間のコーヒー&スイーツタイム。休憩の会場にはテーマが設定されているテーブルがいくつかあって、席に座った人同士でテーマに合った話が始まります。休憩が終わったらセッションへ向かい、またおやつを食べながら盛り上がり、夜のパーティーでは、ご飯を食べて盛り上る。このように DevCon には、参加者が交流しやすい仕組みがあり、勉強漬けではなく 1 日のプログラムにメリハリがあります。また、会期の前後に他の参加者と一緒に観光に行ったり、単に勉強だけではない貴重な機会になっています。」

日替わりのスイーツも楽しみ

竹内:「 DevCon で得られることって本当に大きいです。結局、話す内容は FileMaker の技術の話なんですけどね。共通の話題があるからこそ単語を並べたような英語力でも十分コミュニケーションが成り立っているので、セッション以外の会話でも、各国の技術情報をディスカッションできるのは楽しいです。」

高揚感を掻き立てるバラエティに富んだセッション。

有賀:「日本のカンファレンス と違う点は、必ずしも FileMaker の技術だけではないセッションも聞けることです。哲学や営業手法をテーマにした内容だったり、奥が深いトピックがたくさん準備されています。カスタム App 、ソリューション開発は必ずしも技術だけではない、ということなのかもしれません。」

竹内:「確かにキレキレのテーマが多いので、セッションだけでも楽しめますよね。コミュニティの運営方法、読者に一度で技術を理解してもらえる本の書き方、優秀なデベロッパーを雇うための面接方法だったりと、興味深いテーマがたくさんあります。バラエティに富んでいるだけではなく、数百以上の候補から厳選されたセッションなので、どれもクオリティが高いんです。毎回刺激を受けます。」

高岡:「本当に視野が広くなりますよね。竹内さんと有賀さんはセッションスピーカーの立場でも参加されたことがあると思いますが、聞くだけでは得られないものはありましたか?」

竹内さんがスピーカーとして登壇したときの様子

竹内:「参加するだけでも楽しく、大きな意味があるのですが、やはりスピーカーとして参加する場合は何かを学ぼうとするだけではなく、何かを提供しようというスタンスになるので、また違った意義があります。手ぶらでいくわけにはいかないので、準備もして何らかの役割を持って参加することで、 DevCon までの時間の過ごし方は全然違いますね。」

有賀:「スピーカーだけが招待されるディナーにも参加でき、各国のスピーカー同士でコミュニケーションもとることができます。その交流でいただいたアドバイスを日本のカンファレンスで活かしたりと、スピーカーという立場から得られる学びも多いですね。ただ、自分の担当セッションが終わるまでは、何も食べられなくなるくらい緊張は続きます。これも、なかなかできない経験だと思いますので、苦しみながらも、楽しめる貴重な経験だなと感じています。」

高岡:「お 2 人のように技術トレーニングのトレーナーや豊富な講演の経歴があっても緊張するような場に、日本の大学生がスピーカーとして登壇した時のことはとても印象に残っています。実際に壇上で話終わった後に感極まって涙を流した姿を見て、観客席もみんな感動し、温かい空気がセッション会場に溢れていましたよね。」

FileMaker キャンパスプログラム参加の大学生がアメリカでスピーカーとして取り組みを発表

有賀:「学生たちに帰ってきた後で感想を聞いたのですが、人生が変わる経験だったと言っていました。若い開発者にとっても、 DevCon がひとつの大きな目標になるような機会に、どんどんなると嬉しいですよね。このような経験を積極的に提供し続けている Claris の方針にはとても感謝しています。」

新しい試みとなる今年の世界的祭典に期待すること。

高岡:「 2020 年は初めてのオンライン開催となるので、これまでとは違うメリットがあるのではないかと期待しています。例えば、社員みんなで一緒にセッションに参加して、その後にディスカッションする時間をつくることができますよね。得られた情報について考え、社内で活発な意見交換をする場を設けることで、より深い学びになり、お客様へ最新の情報を提供したり、開発実務へと繋げられるのではと期待しています。」

有賀:「オンラインでどのように実施されるのか、全く想像がつかないですが、リアルに DevCon に参加しようと思うと、時間やコストの制約が発生します。それが、今回オンラインになることで参加の敷居がグッと下がるのではないでしょうか。今回のオンライン開催で魅力を感じて、来年はアメリカの現地へ行ってみようと思えるきっかけのひとつになれば嬉しいですね。」

竹内:「有賀さんのお話の通り、現地に行くのはハードルが高いという方も、参加しやすくなりますよね。世界中の FileMaker 開発者の考えや技術に触れることは、リアルのイベントでなくても可能で、さらに裾野を広げるチャンスであることに変わりはないと思っています。今年はコロナウイルスの影響で開催しないという選択肢もあり得たと思うのですが、形を変えて開催を続行してもらえるのはありがたいです。これを良い機会と捉えて、多くの人に参加してもらいたいです。」

高岡:「参加するメリットがたくさんあることを実感してもらいたいですね。 FileMaker は、簡単に開発ができることが魅力のひとつですが、実は奥が深く、開発者によって作り方が全く異なることも多いんです。いろいろな正解があるなかで、本当にこれで良いのかという疑問が生まれることは少なくはありません。そこで世界各国の開発者が発表するセッションに参加することで、長年自分の中で疑問に思っていたことがすぐ解決できたりします。これまで、何時間も試行錯誤をしながら、苦労して行っていたシステム開発が、カンファレンスのセッションを受講したことで、「あの苦労は何だったんだ!」と気づくようなことが、参加する度に体験ができるのが DevCon だと思っています。私は開発者出身の経営者です。開発者が 1 人で何時間も悩んで、やっとの思いで解決策に辿り着くことは、スキルの向上に向けて大事なことだと知っています。ですが、その悩んでいることの解決策は、他の人が持っていることが多いのも事実です。だから、若い開発者の方には、DevCon に参加して、たくさん知識を吸収してほしい。そして、経営者や意志決定層の方には、開発者が 1 秒でも早く解決策に辿り着くための機会を提供して欲しいと思っています。その結果、開発効率は向上し、多くの時間を節約できるだけではなく、節約で生まれた時間を別の生産にあてることもできるようになります。今年は海外に行く必要はありません。日本で受講できるのです。これはまたとないチャンスだと思います。今年の開催で、多くのメリットを実感していただいたら、来年はアメリカで開催される DevCon に経営者の方も一緒に参加してもらえたらいいなと思います。」

<編集後記>

これまでに 16 回以上も開催地のアメリカへ趣き、世界の FileMaker 開発者の集まりの高揚感を肌で感じてきた高岡さん、竹内さん、有賀さん。インタビューで、実際の様子をお伺いしているだけでも、当時の刺激的な空間が想像できました。何度参加しても、毎回エネルギーをもらい、帰国後のモチベーションは無敵状態になるそう。余裕ができたら参加するというスタンスではなく、余裕をつくるために参加している姿勢に感銘を受けました。そのくらい、参加するメリットがあることを実感されていました。2020 年の開催はオンラインとなったことで、多くの人が Claris FileMaker の世界的祭典を肌で感じる良いきっかけとなるのではないでしょうか。そして、魅力に引き込まれ、来年以降アメリカ現地へ足を運ぶ参加者が増えていくことが期待できる、そんなインタビューとなりました。

参考:FileMaker キャンパスプログラム : https://content.claris.com/ja_campus-program